家の断熱は窓が鍵

入浴中に亡くなる人は交通事故よりも多い


東京都健康長寿医療センターの研究によると、2011年の1年間で入浴中に急死した人は全国で約1万7000人。

これは交通事故の死亡者数4611人の4倍近くにあたります。

入浴中の急死は、温度の急激な変化によって血圧が大きく変動することにより失神したり、心筋梗塞や脳梗塞を起こすことが理由で、こうした状態をヒートショックと呼んでいます。

寒い脱衣場から熱いお風呂に入るときに、心臓や血管の弱った高齢者に起こりやすいといわれています。

ヒートショックが起きるのは吉田兼好のせいだった!?


吉田兼好は『徒然草』で「家のつくりやうは、夏をむねとすべし。
冬はいかなる所にも住まる」と説いています。
「多湿な日本ではまず夏の風通しを考えよう、冬は厚着や火をたけばなんとかなる」という意味ですが、この考え方はオイルショックで省エネを意識する1970年代まで続いたと言われています。
家の中の温度差が引き起こすヒートショックで毎年多くの日本人が亡くなるのは、こうした断熱意識の低さが影響しているのかも!?

断熱の鍵を握るのは「壁」ではなく「窓」


断熱というとまず断熱材を思い浮かべる人が多いかもしれないが、実はくせ者は窓やドアといった開口部。
ここからの熱の出入りの方が大きいのです。

経済産業省の試算によると、夏は窓から熱の71%が入り、冬は窓から熱の48%が逃げているとのこと(1992年省エネ基準レベルの断熱性能の住宅での計算例)。
つまり住宅の断熱性能を高めようとするなら、壁や床より、まずは窓の断熱性能を高めることが先決というわけです。

Low-E複層ガラス | 複層ガラスの一枚内側にLow-Eと呼ばれる特殊な金属膜をコーティングしたもの

失敗 | 窓をたくさん設けたが夏は暑く、冬は寒いとつくづく実感しているこの頃。後悔しています。埼玉県在住 27歳・女性


ひと言で「断熱」といっても材料は主に3種類、工法は2つある

壁や天井、床などに断熱材を用いますが、工法としては柱と柱の間に断熱材を入れる充填断熱工法と、柱の外側に断熱材を張り付ける外張り断熱工法の2つがあります。一般的にコストは充填断熱工法の方が安いですが、断熱性能を高めるには断熱材の性能や施工の精度が重要です。また断熱材は下表のように大きく3種類に分けられます。依頼先の施工会社がどのような断熱方法を使うのか聞いておくとよいでしょう。

無機質系


ガラスや鉱物などを細かい綿状にした断熱材。
グラスウールやロックウールなどがある。木造住宅の充填断熱工法に使われることが多い

木質系


木質繊維を利用した断熱材。古紙を再利用したセルロースファイバーが代表例。壁や天井の中に吹き込む施工方法が一般的

発泡プラスチック系


各種プラスチックを発泡させて製造する断熱材。硬質ウレタンフォームなどがある。
種類によりボード状にして使う方法と、吹き付けて施工する方法がある

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